平成14年7月27日(土)屋上防水工事についての打合せ事項の記録
苗場タワー理事会側 川島 佐藤 佐伯 伊藤 高屋 の5名全員
工事業者側 ABC商会(長谷川課長) 朋友(細田社長)
川島の文書による質問事項と業者側の回答を下記の通り記録する。
屋上防水工事に関する質問事項
(1) 工法・防水材について
ABC商会ニューカラートップSR・A工法(ポリウレタン樹脂系防水耐久仕上材)
プライマーから表面トップコートまでの・ローラーハケ塗り・金ゴテ仕上げ(吹きつけではない)
この工法の実績の程は?
(答)この製品は開発されてから12年ほどなるが、車両走行用屋上防水に多用され、
工事実績も多い。苗場にあるサンプル(田島ルーフィング製アスファルト防水、 ダイフレックス製ウレタンFRP複合防水UPV−10)と比較し、ゴンドラの走行に耐えなければならない点を考えると、優れていると判断できる。
(2) 伸縮目地
既存の伸縮目地は全面的に撤去するのか?(撤去ののち新たな目地を入れる)
(答)既存目地は全面的に撤去し、新たな目地を入れる。
(3) この工法は既存の防水層=(一次防水・アスファルト防水・コンクリート押さえ)の存在を前提にした工法=(二次防水)なのか?それともマンション新築時にアスファルト防水・コンクリート押さえをせずに、屋上スラブに直接塗布=(一次防水)しても耐えうる防水工法なのか?
(答)この工法はアスファルト防水の存在を前提にしたものではなく、これ自体が単独の防水となる工法である。
(4) 耐久性・対候性
苗場の冬季の気温・風雪・凍結融解・オゾン・紫外線の自然条件及び
ゴンドラの走行に充分耐えうるか?
(答)この防水材の各種試験データ・特性は別紙添付説明書「標準物性」の通りである。通常の利用状況を前提とした苗場のゴンドラ走行・自然条件に充分耐えうるものと考える。一般に防水工事は材質そのものの適性もさることながら、確実な施工方法が重要であり、この意味でもこの工法に熟練した職人の手で、きちんとした施工を実施したい。また4−5年毎の表面トップコートの塗り替えメンテナンスにより、長期的に利用可能である。
(5) 下地との関係
既存コンクリートは劣化が激しく充分な下地処理が必要と思われる。また築12年近 なるが、今回の防水は立派でも既存コンクリートが劣化して、新設防水層に悪影響(伸縮目地の飛び出し・目地際のコンクリ浮き上がり・新設防水層のふくれなど)を及ぼすことはないか?
(答)表面コンクリートの劣化は時間とともに一段と激しくなっているようだ。
既存コンクリートの下地処理は、サンダー、ポリッシャーがけ、コンクリート不良部分のハツリ、不陸調整などを行う(高圧洗浄は行わない)。エポキシ樹脂モルタル(サンプルで粟おこしのような部分)は通気性があり、アスファルト防水層に溜まった水分を蒸発させるし、さらに脱気筒を4ヶ所に取付けるため心配されるような問題の発生は考えにくい。
(6) 笠木について
現時点で笠木交換の必要はないか?既存笠木はどの程度もつか?
(答)現在の笠木はアルミ製で、防水施工の為一時取り外し、再度取付ける。
交換の必要はなく再利用する。詳しいことは外してみないと分からないが、
利用不能の笠木は新たに製作した物と交換する。
またパラペット立ち上がり部分の防水層の浮きがかなりの部分で見うけられるため、立ち上がり部分の防水層は全面的に撤去し、新たに防水を行う。
(7) 脱気筒設置について
ゴンドラの走行に支障はないか?設置場所は?
(答)脱気筒は屋上平場の勾配の高いところに設置しなければならない。
その場所は概ね三角屋根のパラペット付近となる為、ゴンドラ走行に
支障を来さない位置に取り付ける。
(8) 施工後のメンテナンス方法について
メンテの方法・サイクルと予算
(答)表面に塗られているトップコートを4年ごとに塗り替えるのが理想だ。
工事費は概ね2000円/u 程度と考えていただきたい。
これによって長期的に防水性能を維持できる。
(9) 建物のゆれ(地震など)に対する追従性(亀裂が入らないか?)
(答)コンクリート下地のひび割れに対しA工法の場合防水層全体が5.2o伸びるため(試験結果による)通常の場合は何ら問題ない。
地震による急激な振動によりコンクリートに亀裂が入るなどの場合は、防水層にも亀裂が入るおそれがある。 しかしこの工法は部分補修しやすい利点があるので万が一の場合は直ちに補修を行うことができる。
(10) 工事補償の具体的内容(無償工事の例、有償工事の例/境界を具体的に)
この点は今回具体的な話ができなかったため後日保証書のサンプルを見せてください。また保証内容は出来るだけ具体的に書いて下さい。特別なことは要求しませんが、通常他で行っている保証内容で結構です。(別紙サンプルあり)
(11) 工事完了後、3−5年後の検査の実施及び立会いできるか?(無料?有料?)
(答)完了後1年、3年(この時にトップコート塗替え時期を判断する)後に
理事会立会いのもとに現場の状況を点検する。また補修工事のご用名頂ければそれに合わせ定期的に現場の状況を点検する。もちろん無料で行う。
(12) 見積金額については理事会で検討を行う。
(答) 疑問点があれば何なりとご質問下さい。
以上
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(追記)
本文は工事着工前の打合せ記録である。
完成前後の理事立会い検査(2回)と2003年4月5日の屋上視察においては、異常なく、
ほぼ希望どおりの施工が行われたと考えられる。
なお一年点検を2003年10−11月頃に実施する。
一年点検時の不具合補修は無償補修となっている。