苗場タワーと地元とのコラボレーション

            2007.1.22 苗場タワー理事長 川島順一

 

コラボレーション(collaboration)とは協力、協調、連携などの意味だ。普段定住しないリゾートマンションをスムーズに運営するには地元とのコラボレーションが特に大切である。

東京など大都市のマンションと違い「苗場」という狭い土地にある苗場タワーは、地元とのコラボレーションなくして維持管理することは不可能である。管理組合役員を長い間やってみてしみじみと感じることである。私達が突然タワーに行って快適に滞在できるのも、地元の多くの業者さんに支えられていることを紹介したい。彼らは私達を支えてくれる縁の下の力持ち、黒子なのだ。

 

神さま・・・仏さま・・・ケンスイさま・・・金六さま・・・その他大勢さま

深夜のお助けマン

ケンスイの林さんは苗場タワーの設備保守を担当してくれている。酒は好きだが仕事が終わっても、休みの日でも酒を呑めない日が結構ある。体調が悪い訳ではない。肝休日を決めている訳でもない。では何故?

専務が出張などで留守にする時、林さんは酒を呑めないのだ。どうして?

彼はタワーの設備全般の修繕・保守をやってくれている。往々にして設備のトラブルは冬季が多い。時間を問わず深夜にもトラブルはおきる。非常時に備え仕事が終えも酒は呑めないのだ。プロフェッショナルの心意気を感じる。

 

ことしは金六さんの出番がない?

今年は暖冬だ。去年の今ごろはタワーがすっぽり埋まってしまうほどの豪雪だった。さすがの金六さんも大雪には参ったようだ。金六さんとはスキー・スノボのレンタルショップ

「金六イレブン」さんのことだ。

進入路から駐車場まで早朝だろうが夜間だろうが雪が積もればブルでザザーっと除雪してくれるのも金六さんだ。どんなに車の性能が良くても、ドカ雪にはなすすべがない。融雪の水撒きなどショーベン小僧で融雪するようなものだ。全く歯が立たない。金六さんのブルのパワーは素晴らしい。苗場名物「苗場タワー夏祭り」を一切しきってくれるのも金六さんだ。

 

センセーもタワーの味方。

タワーのビール、お茶、ジュースなどの自販機をあなたも利用したことだろう。

苗場の温泉宿「苗場金六」さんが自販機の面倒を見てくれている。「苗場金六」は金六イレブンの実兄の経営する宿だ。苗場タワーは金六兄弟に支えられていることになる。

冒頭にセンセーと書いたのは、実は自販機に飲み物を入れてくれる「苗場金六」の社長は湯沢町の「町会議員」なのだ。冗談じゃなくて現役の先生なのだ。「センセー自らジュースを入れに来てもらい申し訳ないなあ」冗談交じりに言葉をかける。「やあいつもお世話様。ジュースでも飲みなよ」と冷たい飲み物を渡してくれる。気さくでおごりの無い人だ。

ほかにも大勢の方にタワーは支えられている。

 

忘れられない大晦日の出来事

2001年12月31日の出来事
その日PM6.00に28階の部屋に入ったオーナーは、余りにもビックリし、管理人室に怒鳴りこんできた。部屋に入ってみると、広いリビングのカーペットの半分程度が水を含んでビチョビチョ状態だ。専有部分の配管からの水漏れはなさそうだ。まして今着いたばかりだし、もう一年もこの部屋は使っていないということなので、この部屋の中で起きた漏水ではなさそうだ。他の部屋から伝わって来たに違いない。そうこうしているうちにリビングの絨毯の水はどんどん増えていく。
SOS!
12月31日PM7.00といえば一杯飲みながら紅白歌合戦でもみようか?そんな時間だ。はたして業者さんは来てくれるだろうか?連絡は取れるだろうか?管理人さんは不安そうに電話を入れる。SOSの発信先は、いつも給排水設備全般の工事をお願いしているケンスイさんと毎週月曜日に消防設備や館内全体の設備点検をお願いしているシド通商の小峰さんだ。
「若い衆と初詣に行く途中で急拠Uターンして来ました」ケンスイさんは一時間もしないで駆けつけてくれた。家にいたという小峰さんは一足早く駆けつけてくれた

緊急対応と信頼関係
何がなんでもこの二人の業者さんは手離したくない。私が理事長を辞めてもマンションがある限り手離さないだろう。たまたま私もこの日この時間に漏水事故に立ち会っているからその思いは一層強い。管理人さんにしてみれば始めてのSOSではない。何度も助けを求め、何度も助けてもらっているのだ。こういう業者さんがいる限り安心だ。我々はここに常時住んでいる訳ではない。我々がそこにいなくても、いつも見守ってもらっていると思うと心強い。
28階の漏水事故は大晦日の夜であった。ほぼ原因が特定でき、これ以上の漏水は無いだろうということに落ち着いた。今はまだ流れ出た水が床を伝わっているが、やがて止まる。そんな結論となった。もう少しで元旦だ。